卒業制作優秀作品集2023
統合デザイン学科
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- 谷口 えいみ
Plastics
彫刻
技法・素材:素材=プラスチック消しゴム(協力 株式会社トンボ鉛筆)、MDF(展示台)/技法=素材研究
サイズ:什器①=H700×W450×D1800mm(4点)/什器②=H200 W900 D1820 (2点)
作者によるコメント
本来、黒鉛で薄汚れていたり、捨てられてしまうような存在をかき集めて美しさを考えました。
担当教員によるコメント
谷口は消しゴムという一般的な物質のもつ表情の可能性を様々なかたちで魅力的に表現した。消しゴムという名前や機能から離れ、その物質の中に潜む無限の状態の変化を我々に提示する。こする、削る、割る、捻る、熱を加える、並べる。どの状態も消しゴムであることに違いはないが誰も知らない消しゴムの繊細な姿や迫力のある姿、それぞれの魅力をいくつも見つけ出した。この作品は消しゴムという名のプラスチックを素材とした彫刻作品である。
教授・深澤 直人、教授・長崎 綱雄
作品説明
消しゴムは圧力によって変容する。
その特性は原料であるプラスチックを感じさせず、ゴムのようであるが、何かに形容するには難しい。消しゴムは消しゴムでしかない、唯一無二の素材である。消しゴムそのものの、白い四角い佇まい。圧力をかけられて変容した姿。それらを並べとき、ひとは消しゴムであることに気がつくのだろうか。 消しゴムの性質である弾性と可塑性は、圧力のかけ方によって表情の違いとなって現れ、脆さ、強さ、軽さ、重さの印象を変える。黒鉛で薄汚れた姿が本来の存在であるが、その汚れを取り払ったとき、美しさに目を向けることができると考え、表現した。
協力:株式会社トンボ鉛筆