卒業制作優秀作品集2023
統合デザイン学科

江口 菜々美

ちょうどいい

立体作品
技法・素材:素材=かまぼこ、羊羹、樹脂粘土、ABS樹脂、ゼラチン、絵の具、レジン液/技法=成形
サイズ:H1000×W5000×D3450mm

作品説明

デザインとは、そのものが置かれる環境やそれに関わる人など、あらゆる要素の中で最もちょうどいい点を形にすることだと考えています。しかし、それはデザイナーだけが行うことではなく、生まれた瞬間から誰もが無意識に行っていることだと気づきました。 コップに対する水の量や餃子のヒダの数、カレーとご飯の割合。気づいてはいないけれど、そういった日常の些細なところから違和感を感じ取り、自分のちょうどいいを見つけているのではないでしょうか。 この作品は、そんな今まで無意識のうちに通り過ぎていた日常の中の「ちょうどいい」に焦点を当てた作品です。

作者によるコメント

無意識のうちに通り過ぎている日常の「ちょうどいい」に焦点を当てた作品です。
卒業制作を通して「ちょうどいい」ということに向き合ってきましたが、自分が想像している以上に奥深く、まだまだ気づいていないことがたくさんあります。
ちょうどいいはデザインと同じように私たちの日常と密接に関係しています。この場所で学んだ初心や基本を忘れずに、想像して、試して、変化させてを繰り返しながら、誰もが違和感を抱くことのない「ちょうどいい」を探り続けていきたいです。

担当教員によるコメント

デザインとは「人と環境」「人と社会」における適正な関係性を見極め、意味や価値を生成する営みであるが、その適正さの精度を極めたいという強い欲求が私たちにはある。わたしたちはデザインという行為だけはなく日常の生活の中で、微妙な違いや誤差を高い精度で瞬間的に感じ取り、「ちょうどいい」を判断し続けている。ビールの泡の厚みと液体の量のバランスやプリンのテーパーの角度、餃子のヒダの数、日の丸弁当のうめぼしの大きさ、羊羹の厚みなど、江口はわたしたちに問いかけている。そしてわたしたちは微笑みながら自分の「ちょうどいい」を指さす。どこか少し幸せなひとときが生まれる。

教授・深澤 直人、教授・長崎 綱雄

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