卒業制作優秀作品集2023
統合デザイン学科
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- 金子 祐子
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映像、グラフィック
技法・素材:素材=プロジェクター、布、サーキュレーター/技法=映像、グラフィック
サイズ:H1550×W1100mm
作者によるコメント
ひとつひとつの場面がグラフィックとしても成り立ちながら見てる人に伝わるように、イラストの美しさにこだわりました。特に線の角度や曲線の気持ちよさに力を入れています。
展示からもコンセプトが伝わるよう、揺れる布に投影しています。
この作品で、ふとした時にも繊細に揺らぎ続ける感情に目を向けてもらったり、共感してもらえると嬉しいです。
担当教員によるコメント
境界線。個人的な感情や関係にも曖昧な境界線は存在すると金子はいう。
微風が吹く薄い布にプロジェクションされた揺れる有機的な線。
日常の風景なのか、瞬間ではわからないがループすることで意味が徐々に浮かび上がってくる時間軸も感じる作品だ。
間にはいる1行の日々の生活で感じたコトバ。
macにデフォルトではいっているようなクリック音がかすかに聞こえる。
GIFアニメのように若干の動きのある、力が抑制された線描のイラストレーション。
揺れる気持ち。この作品をどう思うか。同じものを見ても人によって、その時の心理状況によって違う。
できるだけ説明を省き、どうとでも解釈できるからっぽの箱のようなものをつくってみたかったのだろう。
金子は学生時代、線描のイラストレーションを追求してきた。
一見無味乾燥なものに、どこまで感情や意味をいれることができるかがテーマだ。
かつてアートディレクター山城隆一の「デザインに悲しみを盛れないか」という言葉あったが
金子も無感情のベジェ曲線と感情の関係性に試行錯誤をしてきた。
ふと風にゆれる枝葉を見て金子の作品を思い出した。
卒業しても深く考えつつ、軽やかな仕上がりのデザインを心がけましょう。
右脳と左脳をいったりきたりしながら自由で軽やかに。
INTEGRATED AWARD TOP20、おめでとう。
教授・佐野 研二郎、非常勤講師・小杉 幸一、非常勤講師・榮 良太
作品説明
個人の感情を含めたあらゆるものごとには境界線があります。 しかし、その定義や区別は曖昧な場合が多く、感情や行動も、状況によって流動していきます。この作品は、ものごとの境界線と感情の境界線をリンクさせ、映像でありながらグラフィックでもある形態として表現しました。 人は自分の考えが一貫していると思っていても、その都度変化していくものです。 そこにどうしようもなさと魅力を感じました。