卒業制作優秀作品集2023
環境デザイン学科
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- 園田 こ春
還元される過去/表象の呼応
テキスタイル・ドローイング
素材・技法:毛糸 麻紐/B3更紙 木炭
サイズ:テキスタイル=H5.5mm×W4mm/ドローイング=H4mm×W4mm
担当教員によるコメント
この卒業制作は織物とドローイングから構成され、デザイン棟1階のギャラリーに展示・発表された。
織物は作者にとって過去を現在に還元する表現手段であろう。
織物は2階のギャラリーから中央の階段伝いに展開され、先端は現在という時と空間に溶け込んでいる。
また吹き抜けの天井から掛けられた数多くの木炭によるドゥローイングは、作者の心象風景でもありデザインを検討し創造が生まれるまさしくその瞬間を切り取られた創造の森でもある。その二つの呼応の体験こそこの作品の魅力であり、作者そのものでもある。
教授・田淵 諭
作者によるコメント
私たちは現在において想起を通して過去を見ているが、同時に過去を通して現在を見ているということを体験し深く理解した時、過去が1枚のカーテンのように思えた。
過去、その“時間”という可視化できないものを織りとドローイングの2つの手法で蓄積させる。
そこに現れる形や色彩、線のゆらぎや情景というのは無意識による選択の連続であり、直感とも言える。
その論理操作を挟まない即時的な認識によって抽出され現れた表現は、私が生きてきた時間によって刻まれた表象であり、そこに私自身が還元され続けている。
そのような、無意識の呼応を限りなく続けることで私の存在の有無に関わらずとも私自身を語ることが出来るのではないかと考える。