卒業制作優秀作品集2023
環境デザイン学科

大内田 光

penthouse - explore the space between scales

設計、プレゼンテーション
素材・技法:塩ビ板、ケント紙、中粒子ジェッソ、ミシン糸、その他
敷地 : カスピ海北岸 ヴォルガ河 三角州上
面積 : 63.6km²

作者によるコメント

階高70,000mのペントハウスの設計である。
私は建築が「大きい」ことで可能になる、いくつかの体験に興味があった。
視覚的にわかる最大の空間は、地平線で囲まれたものだろう。
地平線とは、ある離れた2人の視線が地球の丸みで遮られることを言う。
地平線までは約4.5kmという身体から遠くはなれた距離である一方で、丸みに沿わず、人工的にまっすぐな床は地球よりも先に地平線を作り、階高が増えるにつれてその距離は短くなる。
本計画ではすべての床の大きさをその原理から決定し、最上階では半径10mの円盤が浮かぶ。
階を上がるにつれて移り変わるおおらかな現象を体験し、時代や文明、既成概念から離れ、自分の視点と大きな球体との関係性が生み出す形を再発見することとなる。

担当教員によるコメント

地平線に対してここまで考えたことは初めてだった。
キロの単位はなかなか建築では扱いきれない。ともするとその表現の困難さ故の建築側からの諦めなのかもしれない。
しかし大内田は諦めなかった。地上7万メートルにある半径10mの寝室。
2万分の1の模型上での半径は0.5mmだ。実物を作ることがままならない規模では、代替物が全てのはず。
しかしその模型表現の限界を超えることに少しも怯まない姿勢に今後の建築の可能性を見ている。

教授・松澤 穣

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