東洋大学で臨床心理士を目指し、多摩美術大学では心をテーマに制作してきた。卒業制作では自分の心をテーマに表現したいと思った。
毎日の感情を抽象的な色彩と形態で表現することで、視覚的な感情の共有を試みた。
生きてきた文化によって完全な共有や理解はできないかもしれないが、私たちはどこかで共通の認識をして理解し合えるのではないだろうか。

石田の作品は彼女自身の日記である。日記帳のマス目のフォーマットを自画像の輪郭線に置き換え、そこへ毎日の感情を描き続けた。自画像は彼女のエネルギーを感じさせ抽象的であり饒舌でもある。さらに、その自画像の数点を彼女自身として初体験の彫刻として見事に昇華させた努力に拍手を送りたい。

教授・大貫 卓也