卒業制作優秀作品集2023
グラフィックデザイン学科
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- 合田 有希
心のおなかが空いている
ジェネラルグラフィック
技法・素材:段ボール、新聞紙、木工用ボンド、シール、ハンコ、他
サイズ:立体作品=各 H30×W30×D30mm~H235×W240×D10mm(43点)
担当教員によるコメント
作りながら考える。考えながら作る。常々そうありたいと思っているが現実にはなかなかうまくいかない。夢中になって何かを作っている時には、頭が真っ白になっていて何も考えられなくなっていることがほとんどだし、あれこれ考え始めると手が止まってしまう。合田さんの作品は、無意識のレベルから発せられている命令に従って手を動かしながら、さまざまなメディアとの遭遇を浮かび上がらせている。その結果として、考えることが強いられることになっていったに違いない。カテゴリーというものが軽々と乗り越えられているが、ここに集合しているものに共通するものとは何なのか。将来ここに連なる何かが生み出されることによって、その答えが明らかになるのかもしれない。
教授・佐藤 直樹
作者によるコメント
小さい頃、まわりの友達がみんな持っていたプリキュアの変身おもちゃがあまりにも欲しすぎて、家にあったチラシやセロテープ、カラーペンなどを使って、自分で作ってしまったことがある。
今思えば、その経験こそ自分のものづくりの原点だったのかもしれないと考えて、22歳の今欲しいものをまた自分の手で作ってみることにした。
欲しいものがなんでも手に入れられる子供だったら、私は手を動かして物を作ることを始めなかったかもしれないし、いつでも現状に満足でおなかいっぱいだったら、よりよく生きていこうなんて思わないかもしれない。
作り手として、人として、ある種の欠乏感「心のおなかが空いている」ことはとても幸せなことで、その空腹感にいつも敏感でいたいと思う。