A
海沼 千瑛
A. scenic plane
素材・技法:油彩、キャンバス サイズ:H259×W194cm
B. watery wall
素材・技法:油彩、キャンバス サイズ:H162×W130cm
担当教員によるコメント
空間が捻れ歪んでいる。俯瞰した風景があるかと思えば見上げた景色も描かれ、奥行きがあるかと思えば壁のように平面的なスペースもある。不思議だが魅力的な場面が一つの画面上に同居している。“水”をキーワードにして作られた空間にはプールと海が、海と洗面シンクが入り交じり、自然と人工物が共存し、人間の営みが垣間見え我々に日常の生活を思い起こさせる。実はこの光に満ちた楽園には彼女が仕込んだ物語が隠されている。草木や鳥が落とす影は街なかの大きな看板に映っているかのように描かれていて、幾重にも張り巡らされたトリックが次々と明かされ、ついにはこれらの風景が絵空事のように否定されてしまう。気づけば笑いを誘う仕掛けもちゃんと用意されている。彼女はそんな絵画世界を作り上げる事に成功した。
教授・野田 裕示
担当教員によるコメント
空間が捻れ歪んでいる。俯瞰した風景があるかと思えば見上げた景色も描かれ、奥行きがあるかと思えば壁のように平面的なスペースもある。不思議だが魅力的な場面が一つの画面上に同居している。“水”をキーワードにして作られた空間にはプールと海が、海と洗面シンクが入り交じり、自然と人工物が共存し、人間の営みが垣間見え我々に日常の生活を思い起こさせる。実はこの光に満ちた楽園には彼女が仕込んだ物語が隠されている。草木や鳥が落とす影は街なかの大きな看板に映っているかのように描かれていて、幾重にも張り巡らされたトリックが次々と明かされ、ついにはこれらの風景が絵空事のように否定されてしまう。気づけば笑いを誘う仕掛けもちゃんと用意されている。彼女はそんな絵画世界を作り上げる事に成功した。
教授・野田 裕示