A
黒澤 宏太
A. 「燈」
素材・技法:アクリル絵具、水彩絵具、水彩紙 サイズ:H182×W276cm/H182×W92cm
B. 「覩」
素材・技法:アクリル絵具、水彩絵具、パネル サイズ:H91×W91cm
担当教員によるコメント
現代はインターネットが普及し、自宅にいながら見ず知らずの人ともSNSなどで気軽に繋がれる。反面顔が見えないことをいいことに、デマや軽はずみの投稿により「炎上」することも多々見受けられる。黒澤の絵画はそうした現代の状況を、日本美術の古典的な主題を借りておもしろくも辛辣に表現している。大きく描かれた能面や仏面は直接顔が見えないことの比喩として登場し、「炎上」も古典絵画の炎の表現からの引用だ。口から吐かれたおどろおどろしい物体は罵詈雑言のメタファーだろう。ではなぜ黒澤は古典から引用したのか。おそらくネット社会全体が現実ではない仮想の空間であり「引用」された世界だからだろう。黒澤があえて「個」を消して写真的リアリズムで描くのもコンセプトを完結させるのに一役買っている。
教授・菊地 武彦
担当教員によるコメント
現代はインターネットが普及し、自宅にいながら見ず知らずの人ともSNSなどで気軽に繋がれる。反面顔が見えないことをいいことに、デマや軽はずみの投稿により「炎上」することも多々見受けられる。黒澤の絵画はそうした現代の状況を、日本美術の古典的な主題を借りておもしろくも辛辣に表現している。大きく描かれた能面や仏面は直接顔が見えないことの比喩として登場し、「炎上」も古典絵画の炎の表現からの引用だ。口から吐かれたおどろおどろしい物体は罵詈雑言のメタファーだろう。ではなぜ黒澤は古典から引用したのか。おそらくネット社会全体が現実ではない仮想の空間であり「引用」された世界だからだろう。黒澤があえて「個」を消して写真的リアリズムで描くのもコンセプトを完結させるのに一役買っている。
教授・菊地 武彦