A
吉田 沙織
A. untitled
素材・技法:カッターナイフの刃、木材 サイズ:H350×W150×D13cm
B. 無意識を意識する
素材・技法:カッターナイフの刃、木材 サイズ:H240×W100×D90cm
担当教員によるコメント
耳の形態を抽象化したようなかまぼこ型で、かなりの大きさながらも、重さを感じさせない軽やかな彫刻が壁に掛かっている。通常の鑑賞距離からは、素材はメッシュ状の金属と薄いベニヤ板であるように見える。しかし作品に近づき、その金属がカッターナイフの替刃を一枚一枚編み込んで作られているのがわかった瞬間、先ほどまでの大らかに作品と対峙していた気持ちが一転し、心理的な恐怖や圧迫感に包まれ、形態の揺らぎが視覚の歪みや錯覚をも引き起こす。しかしそれは人が逃れられない何者かに対峙したとき、あえてそれに身を委ねることで回避しようとする時に似た、作家本人が、あるいは誰もが内に抱える、ヒステリックかつある種の心地よさの感覚を思い起こさせてくれる。
教授・小泉 俊己
担当教員によるコメント
耳の形態を抽象化したようなかまぼこ型で、かなりの大きさながらも、重さを感じさせない軽やかな彫刻が壁に掛かっている。通常の鑑賞距離からは、素材はメッシュ状の金属と薄いベニヤ板であるように見える。しかし作品に近づき、その金属がカッターナイフの替刃を一枚一枚編み込んで作られているのがわかった瞬間、先ほどまでの大らかに作品と対峙していた気持ちが一転し、心理的な恐怖や圧迫感に包まれ、形態の揺らぎが視覚の歪みや錯覚をも引き起こす。しかしそれは人が逃れられない何者かに対峙したとき、あえてそれに身を委ねることで回避しようとする時に似た、作家本人が、あるいは誰もが内に抱える、ヒステリックかつある種の心地よさの感覚を思い起こさせてくれる。
教授・小泉 俊己