卒業制作優秀作品集2023
絵画学科日本画専攻
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- 佐々木 晴子
乙女の時間 1917−1977
素材・技法:岩絵具、麻紙
サイズ:H1621×W2606mm
担当教員によるコメント
観る者が思わず微笑みたくなるようなウイットに富んだ画面構成。岩絵具の発色もよく、明快な色の選択とあわせ、この作品に爽やかな清涼感を醸し出している。加えて描かれる人物像はどれも魅力的で、その一人一人の顔の表情は何度見ても見飽きる事はない。そうした明るいイメージとは裏腹に、作者がこの作品に込めた深いテーマに気付く人はどれ程いるだろうか。今一度、人物の表情を観察してほしい。後列から中列へ、中列から最前列へと、順に歳を重ねた姿で描かれていることに気付くだろう。ひとの一生を俯瞰する様に、佐々木は冷静な眼差しで老いを見つめ、「生命(いのち)とは何か」と私達に問いかけている。最前列、ひとり描かれるはずの老女の姿はなく、その理由(わけ)を、この絵の前で想像して欲しい。
教授・武田 州左
作者によるコメント
初恋 友情 秘密
仕事 結婚 子育て
再会 偲び 未来
ここに集えば、再び『乙女の時間』が流れ出す。
甘味屋から聞こえる乙女たちの笑い声は60年経っても変わらない。