卒業制作優秀作品集2023
絵画学科日本画専攻

葛井 麻央

MIRROR STAGE BERSERKER

素材・技法:岩絵具、水干絵具、雲竜紙、ラメ顔料、アクリル板、高知麻紙
サイズ:H2166×W3616mm

作者によるコメント

主に、フランスの精神分析家であるラカンの精神分析論における鏡像段階を根底に、自身の内在性や自我の探求をテーマに作品を制作しています。

今回の制作では、幼少期に鏡をみて外側の情報から自我を形成していく鏡像段階と同様に、絵を制作する事で、改めて自我を形成させ、メビウスの輪のように思考の表と裏を反復し、思考の迷路に陥る事で自我の変化が起こる様を描きました。

また、現代において多様化を極める日本画の定義を、その時代を生きる日本人特有の精神性から生まれる芸術作品であると捉え、ゆとり世代やZ世代という社会の枠組みに属する私自身が、この世代のための新たな日本画の定義を作りたいと思い、絵を制作しています。

担当教員によるコメント

葛井麻央さんの「MIRROR STAGE BERSERKER」という作品。
「フランスの精神分析家であるラカンの精神分析論における鏡像段階を根底に、自身の内在性や自我の探求をテーマに作品を制作しています。」と、述べているが、作者はこれまで一貫して精神分析の考えを持ちながら、自らの方向性を突き詰めて来た。自我を形成するという若々しく瑞々しい喜びのようなモノが、危うさも絡めながらも作品のから発散し溢れ出している。成長することの喜びを実感しながら、まるでSF映画のような若々しくドラマチックな表現で、生き生きとリズミカルに描かれた世界は魅力的で観るものを惹きつける。
これからまだまだ成長し変化していくのであろうが、いつまでもこの透明で清らかな歪まない鏡を心に持ち続けていて欲しいと思う。

教授・岡村 桂三郎

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