卒業制作優秀作品集2021
情報デザイン学科

近藤 朱莉

還る ~輪廻転生を体験できる空間展示~

インスタレーション
技法・素材:AR=Unity、Vuforia/アニメーション=CLIPSTUDIOPAINT、Procreate、AfterEffects
サイズ:H2500×W6000×D3000mm

仏教には輪廻転生という概念があります。輪廻転生とは私たち人間や家畜や虫など、この世に存在する全ての魂が誕生し、死に逝くことで六道の世界を彷徨うことです。天上道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道の6つの世界があるため、六道輪廻と呼ばれています。この作品では、境界、転生先の2段階構成で輪廻転生を体感していただけます。境界では、AR技術を用いたインタラクティブ要素を盛り込んでいます。

担当教員によるコメント

本作品のコンセプトは、時々ふと感じる「何処かへ還りたい」という感情を誰かと共有することである。還るための「何処か」は、魂の存在が曖昧な此岸と彼岸の間である境界世界と、来世へ繋がる輪廻転生の2つの世界である。
作品の構成はインタラクション性を持たせた体験型の2つのシステムとなっている。2つの世界の関連をインタラクションによって理解してもらうために、最初の境界世界での行動の結果を、次の世界の転生先の世界に繋がるものにしている。その為に、Unity、Blenderを使用し、仮想の生物をARで表示させている。
人は、境界世界でiPad を用いて仮想の生物を探しながら魂の存在の曖昧さを感じる。そして見つけた仮想の生物を次の輪廻転生の世界で選択することによって、さまざまな輪廻転生を感じ、来世への世界を想像するのである。

教授・楠 房子

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