A
髙田 恵里
A. かすかなバイエル、筑前煮、痴話ゲンカとリンスの匂い 壁と壁の間を跳び回っている
素材・技法:アクリル、油彩、変形パネル サイズ:サイズ可変
B. よそみし人こそ
素材・技法:陶、木材、パイプ サイズ:サイズ可変
担当教員によるコメント
泥団子を作る幼稚園児みたいな純真さと、土木作業員のようなたくましさ。髙田恵里は自分が見たいものを作るのだ。私たちが予想だにしないものを、常にフルスイングで作る。見覚えのあるものや風景のようでありながら、奇妙かつ魅力的な状況を、絵画という虚構のイメージではなく、立体作品という現実として私たちの前に出現させるのだ。のっぺりとした、ビニールや新建材などのニュートラルな色や素材を用いていながらも、そこにはどこか人の営みの気配が漂う。それは見ようとしても見えない自分の後ろ姿のようにつきまとい、観るものの心をほんの少しざわつかせる。自分が見たい世界を形にする。それは往々にして困難であるが、髙田がたじろぐ様子はない。そうして、アートの本質である観たことがないものに出会えるという幸福な体験を私たちは享受できるのである。
教授・吉澤 美香
担当教員によるコメント
泥団子を作る幼稚園児みたいな純真さと、土木作業員のようなたくましさ。髙田恵里は自分が見たいものを作るのだ。私たちが予想だにしないものを、常にフルスイングで作る。見覚えのあるものや風景のようでありながら、奇妙かつ魅力的な状況を、絵画という虚構のイメージではなく、立体作品という現実として私たちの前に出現させるのだ。のっぺりとした、ビニールや新建材などのニュートラルな色や素材を用いていながらも、そこにはどこか人の営みの気配が漂う。それは見ようとしても見えない自分の後ろ姿のようにつきまとい、観るものの心をほんの少しざわつかせる。自分が見たい世界を形にする。それは往々にして困難であるが、髙田がたじろぐ様子はない。そうして、アートの本質である観たことがないものに出会えるという幸福な体験を私たちは享受できるのである。
教授・吉澤 美香