A
野澤 美紀
A. 出合い
素材・技法:せんべい、漆、木箱 サイズ:H5×W14×D14cm
B. θ
素材・技法:石鹸、漆 サイズ:H1×W6×D4cm
担当教員によるコメント
毎回新しいテーマを求め、素材を探し、同じ手は使わない。そんな野澤が取り上げたテーマは“役に立たないもの”をつくる事。入学時の彼女は描写力があり新鮮でシャープな色使いのセンスの良い絵画を生み出していたが、次第に変化を見せはじめ、時には自虐性を含んだ見る者が笑え楽しめる作品を求めていった。そんな方向性の先に見つけ出したのが今回の煎餅の金継ぎである。割れ煎餅の大袋を買い込み、金継ぎで丸い一個の煎餅に復元した。おまけにそれを桐の箱に入れ真田紐を掛け、まるで重文の茶碗のように仕上げた。重要なのはチープなモノをさも貴重なモノのように扱いそのギャップを楽しんでいる点だ。これは単なるシャレやジョークではない。熟考し構築し、主張を限りなくシンプルな形で提示し、ストレートに他者に伝える芸術である。
教授・野田 裕示
担当教員によるコメント
毎回新しいテーマを求め、素材を探し、同じ手は使わない。そんな野澤が取り上げたテーマは“役に立たないもの”をつくる事。入学時の彼女は描写力があり新鮮でシャープな色使いのセンスの良い絵画を生み出していたが、次第に変化を見せはじめ、時には自虐性を含んだ見る者が笑え楽しめる作品を求めていった。そんな方向性の先に見つけ出したのが今回の煎餅の金継ぎである。割れ煎餅の大袋を買い込み、金継ぎで丸い一個の煎餅に復元した。おまけにそれを桐の箱に入れ真田紐を掛け、まるで重文の茶碗のように仕上げた。重要なのはチープなモノをさも貴重なモノのように扱いそのギャップを楽しんでいる点だ。これは単なるシャレやジョークではない。熟考し構築し、主張を限りなくシンプルな形で提示し、ストレートに他者に伝える芸術である。
教授・野田 裕示