卒業制作優秀作品集2017
情報デザイン学科
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- 平山 夏帆
本作は、ソーシャルネットワーキングサービス「Twitter」を用いて空間を構成するインスタレーション作品である。 マシンそれぞれにキーワードが割り当てられており、該当するキーワードが Twitter 上で誰かに投稿されると、リアルタイムでそれに該当するマシンが動き出し、文字として表示され、ツイートを読み上げる。 キーワードは「大好き」「嫌い」「死にたい」「殺したい」「別れたい」「疲れた」「消えたい」の 7 つ。 ツイートを検索するという行為は、「覗き見ている」という行為と イコールになる。「覗き見る」といったときに、 プライベートかつ感情的な要素が色濃く出るようなキーワードにしたいと考え選んだ。 コーヒー豆が落ちてきて、それを掃除する。
担当教員によるコメント
インターネットが現実の代替である状況から現実を構成するひとつのレイヤーとなり、日常の空間にまで浸透した状況へと変化している。それは一様な時代の空気を形成しつつあるが、背後にはIoTなどの技術を通じて実装されたインフラとしての現実がある。そこでは、さまざまな人の欲望が行き交い、それを収集して最適化を図る経済的自然の力学が作用し、私たちの日常の思考や判断に、不特定多数の欲望が作用する新たな自然を形成しつつある。これは、そうした新たな環境の生起に対する実直な眼差しによって生まれた作品だ。さまざまな人の欲望が日常の空間に貫入しつつも、それを家具のように淡々と配置し、眺めること。ここには、彼女自身が感じた新たな世界への感触が表現されている。
講師・谷口 暁彦