A
山田 智子
A. 目で見る、手で描く
素材:油彩、キャンバス、身体の拘束 サイズ:H1300×W1620mm
B. 目で見る、手で描く、そして、目で見ることの不確かさと手で描く描きづらさを内包する
素材:キャンバス、油彩、身体の拘束 サイズ:H2250×W1800mm
担当教員によるコメント
山田は身体を拘束して敢えて描きづらい状況で絵を描いている。そしてその拘束する装置を「つまずき」と呼んでいる。山田にとって「つまずき」とは何を意味するのだろうか。ふつうに考えて「つまずき」とは、自分自身が良いものとして求めていることとは異なった事態が起きてしまい、それをネガティブに捉える意識であり、そのような事態はなるべく避けたいものである。しかし山田は避けるどころか自らそれを求めている。山田はきっと自分自身が抱く良いもの悪いものといった固定化された価値判断をあまり信用していないのではないか。つまり山田にとって「つまずき」とは、同じことは二度となく、他のものとの関わりによって常に変化する不確かなものなのである。山田は不自由さを自らに課すことによって、流動的な自由を獲得しようとしているのだ。
准教授・栗原 一成
担当教員によるコメント
山田は身体を拘束して敢えて描きづらい状況で絵を描いている。そしてその拘束する装置を「つまずき」と呼んでいる。山田にとって「つまずき」とは何を意味するのだろうか。ふつうに考えて「つまずき」とは、自分自身が良いものとして求めていることとは異なった事態が起きてしまい、それをネガティブに捉える意識であり、そのような事態はなるべく避けたいものである。しかし山田は避けるどころか自らそれを求めている。山田はきっと自分自身が抱く良いもの悪いものといった固定化された価値判断をあまり信用していないのではないか。つまり山田にとって「つまずき」とは、同じことは二度となく、他のものとの関わりによって常に変化する不確かなものなのである。山田は不自由さを自らに課すことによって、流動的な自由を獲得しようとしているのだ。
准教授・栗原 一成