A
齊藤 琴絵
A. 無銘祭祀
素材:ミクストメディア サイズ:H2700×W1300mm
B. 訪れるものの絶えばや
素材:布、糸 など サイズ:H460×W460×D1900mm
担当教員によるコメント
明るい怨念。このような言い回しがあるのかはわからないが、齊藤琴絵は、私たちが感じ取れなくなってしまった異界の気配や眼差しを受信しているようであり、それが細かい手仕事による作品として視覚化され、前述のような様相を呈している。それは、土俗呪術、原始信仰、魔物、宗教、といったオカルトめいた領域であるが、決してキモカワイイ趣味的なものではなく、彼女にとってはごく自然に存在するものを表現しているのであり、身体は無くなっても漂い続ける無数の想いに寄り添うような敬虔な心持ちがじんわり伝わってくる。太古の昔、死が身近なものとしてあり、生者と死者の境目が曖昧であったころ、私たちは、人ではないもの、異界のもの、動物や花、木、山、などと対話していたのではないだろうか。齊藤琴絵の作るものには、そのような原始的でおおらかな豊かさを感じるのである。
教授・吉澤 美香
担当教員によるコメント
明るい怨念。このような言い回しがあるのかはわからないが、齊藤琴絵は、私たちが感じ取れなくなってしまった異界の気配や眼差しを受信しているようであり、それが細かい手仕事による作品として視覚化され、前述のような様相を呈している。それは、土俗呪術、原始信仰、魔物、宗教、といったオカルトめいた領域であるが、決してキモカワイイ趣味的なものではなく、彼女にとってはごく自然に存在するものを表現しているのであり、身体は無くなっても漂い続ける無数の想いに寄り添うような敬虔な心持ちがじんわり伝わってくる。太古の昔、死が身近なものとしてあり、生者と死者の境目が曖昧であったころ、私たちは、人ではないもの、異界のもの、動物や花、木、山、などと対話していたのではないだろうか。齊藤琴絵の作るものには、そのような原始的でおおらかな豊かさを感じるのである。
教授・吉澤 美香