卒業制作優秀作品集2023
グラフィックデザイン学科
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- 山田 清勢
Melanin
技法・素材:古本、クラフトペーパー、糊
サイズ:H4200×W4200mm
担当教員によるコメント
艶めかしい光沢を放つ大きな方形紙面の存在感が際立つ。不規則で微妙な凹凸を感じるテクスチャーも気になる。表現されたビジュアルは、年輪のようであり、波紋のようであり、光や音の拡散の軌跡のようでもある。とにかく美しい。
既製のメディアに掲載された人間の肌を捉えた様々な写真をセレクトし、精緻な短冊状の紙片に加工する。それをひたすらコラージュした作品だ。日々心を込め、手をかけることにより生命体を育てていく姿に似ている。〝成長するクリエーション〟と言えよう。そして、スペースや枠を意識することを常としたデザインビジュアルの概念に抗する実践でもあるのだ。創造行為の新鮮さはテクノロジーの中だけに存在するものではない。メディアの可能性を探り続ける山田清勢が唱えているのだから説得力がある。
教授・澤田 泰廣
作者によるコメント
ただ清らかな自然物をつくりたかった。
太陽光を吸収する木、太陽光をリジェクトするメラニン。
それらをピュアに同居させて意味から解放された現象を見るために世界中の古雑誌を集め、ハサミで人の肌を切り抜き、手で貼り続けた。
そこには人の肌でできた年輪を超える自然があった。