最初に彼女は「オーロラが現れるアイスランドに墓地を設計したい」といいました。天国があるとすれば、そこに一番近いイメージがする場所で、何より本人が無類の憧れを抱いていました。しかし、「行ったこともない場所に、イメージだけで設計することに無理がある」と私はいいました。すると「今度アイスランドに行ってきます、オーロラをみてきます」といい、本当に現地まで行ってしまいました。最近時々目にする「死ぬまでに一度は行っておきたい場所」というフレーズを思い出しました。彼女にとってまさにそんな場所で、卒業制作を通して実現してしまいました。そんな強い気持ちを表している、日本とアイスランドを繋ぐ、葬儀場と墓地の設計になっています。

教授・米谷 ひろし