四季折々のファッションに身を包んだ等身大の自画像である。髪型、服装、靴や小物のどれをとってもお気に入りのものばかりで、スジの通ったこだわりが見て取れる。ポーズや表情には自信と恥じらいが入り交じる。自分を強烈にアピールしつつも、自分を描くことを最大限に楽しんでいる。背景を排し、代わりにイタズラっぽい遊びを画面にしのばせ、見る者の興味を倍加させている。北川には確固たる自分というものがあり、自画像を描くということは、その熟知した自分をさらに見つめ直し、これからの新しい自分像を探し求めるという事に他ならない。絵を描く情熱と力量は、彼女を知る多くが認めるところだが、今後の更なる成長のための自分探しが何をもたらすか、期待するところ大である。

教授・野田 裕示