卒業制作優秀作品集2023
絵画学科版画専攻

前川 凌太

perfect banana 2877

技法・素材:リトグラフ
サイズ:H1900×W1700mm

作者によるコメント

『未来人』を信仰する為の絵画作品。2877年、未来の世界では、活動に必要なエネルギーをバナナ一本からすべて摂取する事が可能である。バナナからチューブが画面全体に伸びており、その内部をバナナエネルギーが駆け巡る構図になっている。また、未来の世界では倫理観も進化しており、機能拡張の為に“触覚器官”や“感覚器官”、“記憶メモリ拡張チップ”、“人工皮膚”等、人体への移植行為も積極的に行われている。人類は古来より、神や、自然を信仰して来た。完璧なる理想の姿や、理解するには遠く畏ろしいものを信仰してきた。今、人類が信仰すべきは、理解するには遠い価値観や判断基準を持っていて、且つ理想の人間が反映された『未来人』であると考える。「信仰」「畏怖」「拡散と認知」が絵に宿らせるエネルギーが研究テーマである。

担当教員によるコメント

大判のアルミ版4枚を組み合わせ、更に4色で構成された圧倒的な大きさのカラーリトグラフです。近年あまりこのようなサイズ感のカラー版画は見受けられないこともあり、その存在は圧巻で目を惹きつけられます。前川くんは、卒業制作に向けてギリギリまでシンボリックでカリスマ的な未来人のイメージ構築にこだわりを持ち、版画で制作する意味と意欲がこの作品に込められています。前川くんの次の目的は、単なる絵画としての存在にとどまらず、このサイズ感にして版画の複数性を利用し、あらゆる場所に実際に掲げることで領域をジャックしようとしています。おそらくその数は100点もの規模となるでしょう。ところで、未来人の主食はバナナとのこと。バナナのみですべての栄養がエネルギーと変換される。このシリーズがどのように発展していくのか、今後が楽しみです。

教授・佐竹 邦子

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