卒業制作優秀作品集2022
情報デザイン学科
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- 細野 竜矢
サイネージやPC、スマートフォンなどのデバイスは広く普及し、その存在は我々にとって当たり前のものとなりました。しかしそれだけ身近な存在であるにも関わらず、仕組みを全て理解して使用している人はほとんどいないため、我々はデバイスに予期せぬエラーが起こると途端にこれを恐れます。古来の人が「山びこ」や「蜃気楼」など自然が起こす偉大で未知なる現象に畏敬の念を抱いてきた様に、身近であるが理解が及ばない現代の技術にも畏敬の念をもって接して欲しいと考えるようになり、PCやタブレットにおきた予期せぬエラーに霊的存在を想像させる表現を用いて今回の映像インスタレーション作品を制作しました。
担当教員によるコメント
イリュージョンを利用した映像ショーは、18世紀末フランスのファンタスマゴリーに始まると言われている。プロジェクションマッピングのような映像表現も元を正せば幻灯機の応用であるように、本作もやはりハーフミラーを用いた古典的な映像手法を用いている。内容は現在のデジタル機器に潜む「妖怪」を扱っており、降霊術が主なテーマだったファンタスマゴリーにも通じる。こちらも特に目新しさはない。しかし、iPadから抜け出してくる妖怪から目が離せないのはどうしてだろう?丁寧につくられた妖怪の3D映像とコンピュータが置かれたリアルな机は、明らかにイリュージョンによって結ばれている。変わらぬ映像ショーの魅力がこの作品には詰まっている。
教授・永原 康史