卒業制作優秀作品集2021
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻

小野木 貴康

庭で暮らすライフスタイルにおける内と外を結ぶ繋ぎ空間とプロダクトの提案

技法・素材:素材=石膏、PLA、UV硬化樹脂、アクリル、突き板、MDF/技法=3Dプリント(石膏・PLA)、UVプリント、レーザー加工
作品形態:1/5 スケールモックアップ(床/扉/庇)
サイズ:床=H898×W530×D105mm、扉=H506×W300×D8mm、庇=H847×W451×D6mm

IT技術の普及に伴いテレワークが進み、自宅で過ごす時間が増えることで暮らしの質が重視され始めています。特に子供がいる家庭では、暮らしに対して関心が高く、郊外への移住を考える世帯が増加しています。従来プライベート空間は屋内のみでしたが、家族の時間が増え、より良い暮らしを目指していく中で、庭もプライベートな空間の一部へ変化していくと考えます。庭で多くの時間を素足で過ごすライフスタイルに対し、居間・キッチンを庭と繋ぐアプローチを模索し、従来のように隔てるのではなく、内と外をなだらかに繋ぐグラデーションとしました。足跡が残る珪藻土の床。開放感のある庇。二つの空間をなだらかに繋ぐ扉。自然と触れ合い「庭で暮らす」という新しいライフスタイルにおける「暮らし」と「庭」を”なだらかに繋ぐ”プロダクトの提案です。

担当教員によるコメント

YKK AP株式会社様との産学連携プロジェクトの提案作品です。『新しい時代や住まいに適応する境界空間とプロダクトの提案』が彼の取り組んだテーマであり、まさしく2020年のコロナ禍に大きく変化した住宅事情を緻密に分析した結果からの境界空間です。首都圏郊外に居住を決める目的の詳細な分析、またその家族の具体的ペルソナ設定が新しい生活価値を生み出し、その客観的かつ納得性の高い実態把握が秀逸です。生活を楽しむ為の新たな玄関であり、居住空間(暮らし)と庭を繋ぐSECOND ENTRANCEとしての効果的素材選定も含め、かなりリアリティのある設計思想(デザイン)となっています。暮らしと庭を“なだらかに繋ぐ”というコンセプトは、今後の住居のあり方に一石を投じると考えます。

教授・中田 希佳

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