卒業制作優秀作品集2021
統合デザイン学科

川尻 優

Regit.
ビニール袋を利用したラグジュアリーなプロダクトの製作

技法・素材:ビニール袋、アイロン、シーラー
サイズ:H1000×W500×D100mm(6点)、H900×W900×D900mm(1点)、 H300×W500×D200mm(5点)

ビニール袋の大きな問題点として、その利用のしやすさ、薄く伸ばした加工のされ方からから大量に消費され、結果適切に処理されず海などに流れ出してしまうことが挙げられます。そこで、数枚を圧着し厚い生地を作るなどの加工を施し、防水性、耐久性の高さといった特性を活かした現在のビニール袋の印象とは対極にある長く使うことのできる、ラグジュアリーなプロダクトを製作しました。

担当教員によるコメント

レジ袋を素材としてブランドをつくる。ごく身近な素材を改めて見つめ直し、熱を加えることで美しさを抽出し、感動させるレベルまで定着させた。レジ袋にはもはや見えない。ワニの皮のような野生的で魅力的なテクスチャーがある。でも皮にはない軽さがある。やはりなにか圧倒的に新しい素材を生み出したのだ。美しいデザインをみるとさ、簡単にここまでたどり着いたと錯覚してしまうものだが実際は違うことがほとんどだ。(苦労を感じさせないのは大切な技術だ)川尻の制作プロセスはまさにそうで、試行錯誤、挫折、新たな希望、試行錯誤を繰り返しだった。コンセプトを考え、手を動かし、コンセプトをより強くしようと足掻き、そしてなんと全部壊す。壊すというのは本来怖いものだが残り時間があるないにかかわらず川尻は全く臆することなく捨てる。自分が納得したNEWがそこにないと嫌だから。川久保玲のように新しいものにしか興味がない。いままでやってきたことは振り返らない。常に前をむいている。川尻はそこまでタフにみえないのだが実は全く逆でめちゃくちゃ意思が強く、儚いのもの中に美しさを見出すことができる優しい眼差しを持ち、まだ誰も気が付いていないモノやコトをみつけることができる鋭い眼をもった芯からデザインマインドをもっているんだと思う。二年間、プロジェクトのデザイン番長のような存在でみんなを引っ張っていた、後輩からも憧れられる存在。これからもシンプルで美しく、強い、みた人の心を揺さぶるような強いクリエイティブを楽しみにしています。TOP21、おめでとう。ありがとう。

教授・佐野 研二郎、非常勤講師・小杉 幸一、非常勤講師・榮 良太

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