大沢 日向
懐憶の
作品形態:床置き(立て掛け) 技法・素材:陶、鉄パイプ、発砲ウレタン サイズ:H3200×W150×D100mm
気がつけばどこかに置いてけぼりにしてきてしまった感情や、想い。 それらは決して失われることなく、永い刻をかけて蓄積され続けるのだろう。 知らず、心の拠りどころのような存在と成って、私を支えてくれているのか。
担当教員によるコメント
制作の動機は常に有形無形に関わらず、制作者の外部に在ると考えます。しかし、作者の内部にある懐古、追憶や記憶が造型の糸口となることが如何なることかと逡巡します。大沢日向は「思い出に依存して踏ん張っている自分」を制作の端緒としていたと吐露しています。この「自分の思い出」とはいかなるものか。自らの未熟への苛立ちは実作へ向かう中で外部化された痕跡として表されます。私情を超え、頼りが無いように見えながら豊かな「風化の蓄積」へと、鑑賞者も共感し共有可能な存在へと昇華していきます。我々は、彼女の幾度とない動機の検証によって可視化された作品を通して、彼女のものを見る尺度による、彼女の「私」の読み解きを、つまり自ら作り出したもので自身を直観する力を観ているのです。
教授・井上 雅之
担当教員によるコメント
制作の動機は常に有形無形に関わらず、制作者の外部に在ると考えます。しかし、作者の内部にある懐古、追憶や記憶が造型の糸口となることが如何なることかと逡巡します。大沢日向は「思い出に依存して踏ん張っている自分」を制作の端緒としていたと吐露しています。この「自分の思い出」とはいかなるものか。自らの未熟への苛立ちは実作へ向かう中で外部化された痕跡として表されます。私情を超え、頼りが無いように見えながら豊かな「風化の蓄積」へと、鑑賞者も共感し共有可能な存在へと昇華していきます。我々は、彼女の幾度とない動機の検証によって可視化された作品を通して、彼女のものを見る尺度による、彼女の「私」の読み解きを、つまり自ら作り出したもので自身を直観する力を観ているのです。
教授・井上 雅之