陶土の自由な造形性を操ってかたちをつくり、そこにのせる釉薬や粘土の多彩な色の研究成果をコツコツと積み重ねてきた。作品の外見は複雑に見えるがその根底にある想いはシンプルで力強い。「土の計り知れないエネルギーは、寡黙でも華やかでもなく、優しいでも暖かいでもない、ものすっごく強い力を持っている事を（私は）知っていて、自分の中から自分でも気がつかなかったことを土が引っぱり出してくれているようにも感じる。」（上手くいかない時でも）「悔しさ以上にドキドキする熱いものが涌き上がっている。」これは作り手として十分な資質である。ここまでの作風や取り組み方に固執せず、今後も領域を広げる努力を厭わず続けることで、この資質を「才能」に変えてもらいたい。