本作では、様々なフォルムを生み出す手立てとして、擬音語を元にイメージを具現化していくという手法を取り、「きらきら」「うきうき」「るんるん」「すかすか」「ぎゅうぎゅう」「ひゅうひゅう」「とげとげ」「ぷくぷく」「ふわふわ」をジュエリーで表現した。銀を主素材に、彫り、透かし、石留め、七宝等、様々な技術を駆使して其々の表情を持たせており、一つ一つに、その時の興奮が現れている。高い集中力を持って素材に向かう事の出来る作者であるが、イメージの展開に苦心していた制作期間中も、常に探り、技術を高めようとする貪欲な姿勢が伺えた事は、とても瑞々しい。養った技術を基盤に、本来備えている豊かな感性を発揮し、今後独自の表現を探り当ててくれる事を期待している。

非常勤講師・留守 玲