卒業制作優秀作品集2013
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻

平野 裕樹

CANVAS

この服は四角形の布に直接服を描き、その線をそのまま縫うことで形を作ります。この手法を使うと難しいパターンは必要なく、従来の服作りより、簡単に制作が可能です。これをきっかけに、作って触る楽しさを多くの人に気づいてもらいたいです。
伸縮性に優れている布なので、一見服にみえないような形や、無理がありそうな形でも首・胴・腕・足の抜け道さえあれば、伸縮素材が体にフィットし、服として成り立ちます。また、ねじりながら着るなどの工夫を加えることで、着こなし方にもバリエーションを出すことができます。

担当教員によるコメント

平野裕樹さんの作品「CANVAS」からは、素材の特性をうまくコントロールしていくことで、まだまだ身の回りにごく普通にある素材からも、新しさが引き出せることを教えてくれる。ストレッチの布地素材に、糸で刺し子のような縫い目を施すと、ストレッチ材が伸びるところと、伸びないところのコントロールができるようになる。ストレッチ材は、多少そのシルエットと納まるモノとの間に違いがあっても、伸びることで形を納めることができる。それらの原理を使うことで、一見、服に見えないシルエットであっても、伸びることで、身体にフィットする服ができ、これにより従来の服づくりにあった、着る人の身体に合わせた難しいパターン作業を省くことができるようになる。

准教授・濱田 芳治

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