卒業制作優秀作品集2022
生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻
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- 佐藤 桂
片麻痺の方にとって、日常生活を送る上での制約は多い。調理も制約を受ける一つで、片手での調理は食材、道具、手、と全ての関係性が変化するため、道具によるサポートやあらゆる工夫が必要となる。しかし既存の片麻痺用の調理用具には安全面の問題や、機能とデザイン性の両立が計れていないなどの問題点が多くある。
そこで既存の道具の問題点を解決し日常生活に馴染む見た目との両立を図ることで、片麻痺の方のみならず、片手での生活を余儀なくされている人の片手で調理をするという行為への心理的ハードルが下がると考え制作に至った。
担当教員によるコメント
当研究で注目すべき点は、包丁とまな板をセットでデザインしていることだ。一般的に、包丁とまな板では求められるデザイン要件も生産技術も異なるため、別々の作り手がデザイン製造している。しかし、常にセットで使われる包丁とまな板を相互補完的にデザインしなければ、片麻痺の人にとって真に使いやすい道具は作れないという佐藤さんの考え方こそが正しいのである。昭和大学保健医療学部の三橋幸聖准教授のアドバイスを得ながら、論理的にアイデアを展開し、モデルによる検証を数多く重ねデザインされた包丁とまな板は、機能性と審美性を備え完成度も高い。生産性のことも考慮されているため、近い将来、異業種をつなぎ商品化され片麻痺の人の調理を支えるに道具になると期待している。
教授・安次富 隆