元々個性的な世界観を持ったイラストレーションを得意としていた滝沢は、今回の作品ではファッションという媒体を使って、自身の可能性をさらに深く掘り下げるチャレンジだった。最終的に完成した卒業作品は、誰よりも制作を楽しんでいる彼女の魅力が存分に表現された見事な力作になったと思う。世の中の流行など気にもしない、マイペースな彼女のような個性こそが、次世代の新しい表現者になりうると思った。課題が趣味で、作ることが何よりも大好きな滝沢さんが、よりいっそう個性あふれるイラストレーションを開花させていってほしい。

教授・大貫 卓也