卒業制作優秀作品集2022
生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻

陳 純寧

最初のヒカリ

素材:ポリエステル、MDF合成木材、ボール紙、LED光源
技法:転写プリント、箔加工、レーザーカット
サイズ: H1700×W900×D430mm(2点)、H300×W2500×D1700mm(3点)

「ヒカリはテキスタイルの命」と私はいつもそう考えている。
「biophilia」という言葉が存在してある。本性から自然への愛と憧れがこの一つの小さい言葉に凝縮させている。現代のインテリア照明では、「biophilia」に影響を受けて、様々な空間の「phenomenon(現象)」を入念に構築されている。
地球の原点である太古の深海に遡ってみると、闇に生きる生物の光はほかに及ばない美しさがある。深海生物は巨大で精密な体を持ち、闇での不思議な生き方で恐ろしい生物である。情報を流すための発光から、深海の世界が立ち上がる。
深海の光は、最初の照明だと思う。
照明器具としてテキスタイルのデザインを通じて、人間の感情を空間に溶け込んで、本性を起こす。深海での驚いた「美」を思いきりに全身で体験させる。

担当教員によるコメント

深海の生物は太陽光が殆ど届かないところで暮らしている。そのせいか、深海の暗闇に発光生物が多くいることは知られているが、何故なのか私は門外漢であり、説明できない。深海は人の手が届かない自然が残っているところといえ、地上生物の起源と捉えても、陳さん曰く「太古の世界」なのだろう。彼女は生物発光している個体を太古の照明と言い換えた。製作当初より、パシフィック・リムという国際的な授業に参加して照明器具の何たるかを学び、テキスタイルからの発想というより、先ず照明ありきで取り組んだことが成功に結び付いたのではないだろうか。LEDの白い光は、アルキメデスがいうコールドライトの趣がある。太古の世界、深海発光生物に見立てた彼女の照明器具は、秀逸な作品である。

教授・髙橋 正

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