塚田朋揮の舞台をいくつも観て来た。彼は既成の舞台作りや劇作の型を無視し、また全く知ろうとせず、ひたすらわが心の底へと沈潜する。怒濤が滾る。分断し飛躍し逆回転する思考の凄まじい迸り。ただただ投げ打ち、反逆する。怒りとか絶望とか、そんな得体の知れないデーモンな塊が、彼の病み衰えた心中で吠え、狂乱し、逆立つのだ。言葉は乱暴で、身体はせわしなく喘ぎ、空間と時間は仕切りを失う。そんな彼と仲間の、この卒制の舞台には、美しさとファンタジーが加わった。二人の少女の遍歴と今を、断片シーンの高速連続体に積み上げては壊して、まるで動くコラージュさながらの舞台へと昇華させた。スピード感、衣装や舞台の美的感覚がいい。時空が混乱した卓球試合が面白い。時に粗雑な演技や卑猥な言葉や糞尿趣味も嫌みではなくなった。その破滅的にして世紀末的なものすべてが、今＝現在を激烈に映しているからだ。塚田とその仲間たちよ！ もっと狂え！ と檄を飛ばしたくなるのだ。

教授・福島 勝則