卒業制作優秀作品集2013
グラフィックデザイン学科

遠藤 早紀

Laurier

技法・素材:タイポグラフィ/Illustrator、Fontographer、紙、デジタル出力
寸法:本/H375×W280×D30mm(2点)
タイプフェイス(パネル)/H1030×W728mm(1点) H728×W515mm(2点)
パネル/H400×W295mm(12点)

オリジナルの花形装飾活字を制作し、それがつくりだす図、地、文様の可能性を探求し表現した。花形装飾活字は小さな構成要素が天地左右の組み合わせの変化によってあらゆる表情の文様を生み出す。文字活字とは違った可変造形性を活かし、単に利用という価値だけではなく、可能性の広がりを享受できるようなものにしたいと思い、心地よい緩さと可愛さがあるように心がけた。より世界観が出るよう、装飾を重ねることができるオリジナルタイプフェイスも制作した。

担当教員によるコメント

花形装飾活字(フルーロン=Fleuron)は、文字ではないけれども、タイポグラフィの大切な構成要素のひとつである。その名前のとおり、花びらや葉っぱをモチーフに美しくデザインされた活字で、改行や改段落をあらわす記号として、また罫線に代わる華やかな装飾文様として、昔から印刷に使われてきた。同じ活字を連続して組むと、豪華な花柄パターンが一瞬のうちに出来上がる。組み合わせや配色次第で、西洋風の誌面がぐっと引き立つ。遠藤早紀さんの作品は、そうした花形装飾活字の魅力をデジタル環境で引き出すべく、混色や重なりの美しさを徹底的に追究して200以上の種類を完成させた力作である。クラシカルなインラインのローマン体も並行してデザインし、装飾と重ね合わせて使うユニークな試みも際立っている。

非常勤講師・山本 政幸

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