産学官共同研究

産学官共同研究の歩み

目まぐるしく変化する価値観を先取りして市場を開拓したいという企業にとって、次世代の価値観を担う学生の潜在能力への期待は大変大きいものがあります。一方で、卒業後に職業人としてマスマーケットへ向けたデザインに直面しなければならない学生にとって自らの提案が企業で実施され、エンドユーザーの評価を受けられる機会は何にもまして得難い経験となります。

このような双方のニーズが合致し、実現した本学の産学官共同研究は、地域や社会と連携し、広く全学的に支えられながら歩んできました。社会と関わりながらデザインや制作をすることで、大学教育では経験できないさまざまな判断や創造性が要求されるなか、研究に参加した教員、学生たちは知力・体力・感性をフルに発揮して実績を重ねることになったのです。

当初は教育支援を目的に大学側から外部組織に研究を依頼する形からスタートした産学官共同研究は、現在では大学が外部からの研究支援に応じるという形に進化を遂げ、社会において高い評価を得、現在では国内外の有力企業、団体から共同支援の依頼が引きも切らない状態となっています。そして現在、本学では1985年からの蓄積を経て、産学官共同研究を効果的に進めるノウハウの確立がなされています。複数学科のジョイントによる共同研究や横断的なカリキュラムの構築などのダイナミックな教育体制も実現されました。また、カリキュラムに組み込まれたリアリティある産学官共同研究は、各界から高い評価を受け、最近では産業界の大手企業との共同研究に加え、地方行政や医療法人などの福祉事業、また海外からの依頼も増加しており、芸術と社会の新しい展開へと向かっています。

目的・実施内容について

本学は、「学生の学びとなるもの」を目的とした産学官共同研究を実施しており、企業・自治体等より研究費を受け入れ、本学と共通の課題について対等の立場で共同して研究を行うことにより、優れた研究成果が生まれることを促進する制度です。
特徴としては、教員の指導により、学生が主体となってプロジェクトを遂行し、学生の新しい視点での発想によって、製品の考え方や市場のヒントを探ろうとする研究プロジェクトとなります。

研究費について

研究費を頂戴し、研究活動の資金とします。
金額の規模につきましては、実施する内容により異なります。
ご負担いただく研究費については、「直接経費」と「間接経費」の合計金額とりなす。

※直接経費とは、機器備品費、消耗品費、旅費交通費、人件費、印刷費等、研究の遂行に直接かかる経費であり、間接経費とは、大学の施設使用及び管理運営費にかかる経費となります。

研究期間について

本学では、授業形式として実施しているケースが多く、授業のカリキュラムに組み込んでいます。そのため、原則、授業実施期間中に行っています。

今後の流れについて

上記のとおり、ご興味をお持ち頂けるようでしたら、まずは研究テーマ・研究成果物・期間・研究費・希望する学科など、ご要望をまとめた企画書のご提出をお願いします。また、プロジェクトを検討いただく際には、ホームページで過去の「産学官共同研究の実績」を紹介しておりますので、ぜひご覧下さい。提出頂いた内容により、プロジェクトの実施について検討します。

本学では産学官共同研究の窓口として研究支援課を設置しています。全学科を俯瞰し、研究成果物の公開・各学科間の共同プロジェクトやイベント・各教員間での共同研究・他大学との共同事業を推進しています。

進行プロセス

産学官共同研究は、最初のテーマ設定から、最終的に研究成果を報告書や展示などによって発表するまで、多くのプロセスを必要とします。

テーマ検討・契約 事前に研究内容・日程について企業と大学のスタッフで詳細を打ち合わせ、契約を結びます。
Kick Off・説明会 研究依頼内容の説明・質疑応答を行います。
調査 共同研究開始。調査を行います。
中間チェック リサーチから得られた気付きやキーワードをもとに、それぞれアイデアへとつなげます。アイテムのプレゼンテーションをしたり、テーマやスタイリングのチェックを繰り返し行い、デザインを固めていきます。
中間発表会 途中段階で、企業側にプレゼンテーションを行い、確認・軌道修正をするためのスタイリング・チェックなどを経て最終提案物へつなげていきます。
モデル制作 最終成果として、発表会に向けて実際にモデルを制作します。
最終成果発表会 依頼主に対して研究成果を報告します。学内・学外展示会の開催、報告書作成などで学内・学外に発表します。

関連情報

産学官共同研究に関するお問い合わせ先

窓口:教務部研究支援課

Tel:042-679-5666