研究活動の概要

教育機関であるとともに研究機関でもある大学を、公共性という大きな視点から捉えた時、そこには社会貢献という重要な役割が見えてきます。
本学では美術大学という独自の環境を生かし、美術・芸術・文化・情報の領域を自在に横断しながら、他大学、他機関、他分野とのネットワークを駆使し、研究を推進し、多角的に社会への貢献を目指してきました。
2006年には研究の新拠点・芸術人類学研究所が開設され、新たなパラダイム開拓に向け始動しています。
研究センターをはじめとする各活動を支えるための支援機関もより一層の拡充がなされています。

また、専門的な研究活動によって得た成果を、積極的に教育活動へ取り入れ、有機的な連携を目指しているのが本学の特徴でもあります。
企業や地域社会と連携して社会の発展に役立てる産学官共同研究は、本学が20年以上にわたって独自に取り組んできた試みで、現在では企業の商品およびシステムの開発のみならず、地域の産業振興や、自治体の地域活性プロジェクトなどからの依頼も多く、その件数は毎年増加しています。

一方で、地域連携という視点に立った積極的な活動への参加も、本学の大きな特徴となっています。
その範囲は本学各施設が立地する周辺地域から、国内各地域での連携、さらには海外の各地域とのネットワークを構築した国際規模の連携まで多岐にわたっています。
こどもから大人までを対象に、特色あるプログラムで展開される生涯学習センターの活動は、アートやデザインの自由な広がりに触れ、実際に体験することを目指すものとして、社会的にも注目され、高い評価を受けています。
アジアや欧米と芸術・文化のネットワークを着実に積み上げてきた国際交流活動も、年を経るごとに盛んになってきています。
「知」や「技術」といった資産の蓄積と活用は、教育とともに大学の重要な責務と考えます。