TAMABI NEWS 85号(難局への挑戦が新たな解を創り出す)|多摩美術大学
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09Challenge to a New Normal難局への挑戦が新たな解を創り出す 「この展覧会は、イノベーションを生み出す際によく言われる『問題発見・問題解決』の間に存在する『問題設計』というプロセスに重要性を見出し、問題設計を行うための基本的な考え方を学ぶことを目的として出題した課題の成果発表展示です。問題設計とは『より創造性のある解決方法を生み出すために、問題を作り変える技術』と定義しています。例えば新しい椅子を作る時にも、『自重を預けるための方法を考える』と問題を捉え直すことで、通常の椅子の概念を超えたアイデアを生み出すことが可能になるというものです。学生はデザインを構成する概念を学ぶための制作課題を考案し、その回答例と合わせて展示しています」 これらの成果物をWEBで展示したところ1週間という短い開催期間ながら、約4,000人のアクセスがあり、今後の展示方法の選択肢が広がったといいます。学外から課題にチャレンジした人も多く、オンラインならではの双方向の取り組みとなりました。また、「note」を使い、課題に取り組む学生たちの生のやりとりを5回にわたって掲載し、制作の過程を可視化しました。 「自分たちが、どういうふうにデザインを学んできたのかとか、そこに対してどんな驚きや発見があったのかを、学生に率直に語ってもらいました。その内容が多くの人に魅力的に映れば、統合デザイン学科の意義を広く理解してもらえるのではないかと思っています」菅 俊一 講師 「場所の制限がなくなり全クラス合同で開催することで、3年生の成果、力量をより多くの人に一度に見ていただける機会だと、むしろポジティブに捉えました。WEB上では作品の大きさや質感を体感できませんし、現物を見せられないことは残念ですが、学生たちのやる気やパワーを見ていただける機会になったのではないかと思っています」 またオンライン授業では、学生一人ひとりと向き合い、しっかりと話を聞ける機会が増えたそう。出席率も以前より高いとのこと。「この状況下だからこそ、これまでのやり方では見えなかったこと、分からなかったことの輪郭を捉えることができるようになりました。今回の展覧会では、WEBならではの作品のプレゼンテーションも意識しなければいけないことを気づかせてくれました。その意味でも今回で終わりではなく、今後も続けていくべきものだと思っています」大貫 卓也 教授大貫卓也クラス/アートディレクションA/SUN/学生作品一覧画面Graphic Design Online Class Exhibition 2020展示一覧画面課題説明文と作例画像・動画を合わせて表示し、誰でも実際に課題制作に挑戦できるようにWEB上で展示したGraphic Design Online Class Exhibition 2020トップページTAMABINEWS菅俊一プロジェクトによる課題成果展は、デザインという考え方の本質に改めて向き合い、「レイアウト」「翻訳」など12のテーマから制作課題を考案。お互いに解き合う試みをWEB上で情報共有できるツール「Scrapbox」で展開しました。 4年生が前年度に取り組んだ課題制作を、WEB上で一堂に集めた展覧会。学内のみの閲覧ながら1万回を超えるアクセス数を記録しました。   Graphic Design Online Class Exhibitionグラフィックデザイン学科統合デザイン学科新しいデザインの教科書

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