TAMABI NEWS 85号(難局への挑戦が新たな解を創り出す)|多摩美術大学
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08 今回の展覧会は、大学に学生が入構できない状況の中、「彫刻学科として何ができるか」という思いから、高嶺格先生と木村剛士先生が中心となって企画したものです。監修と技術指導を情報デザイン学科メディア芸術コースの谷口暁彦先生が務め、アドバイザーに豊田市美術館学芸員の能勢陽子さんを迎えて実現しました。 「当初、こんなにスケール感のある展覧会になるイメージを持っていなかったので、すごく驚きました。バーチャルだからこそ、音や光の表現など現実の展覧会では実現できない演出が可能になる。また、通常の展覧会設計では空間が先にあるものですが、今回はアイデアに合わせて空間を作っていきました。通常と逆のプロセスは僕自身初めての体験。新鮮であり驚きでした。改めて『彫刻とは何か?』を考えるきっかけになったと思いますし、この展覧会の経験を経て彫刻学科として新しい試みが生まれるような期待感もありますね」 これまでの既成観念にとらわれない自由な発想で取り組んだ『バーチャル彫刻展』は、彫刻の新たな可能性を示すものとなりました。高嶺 格 教授『火星のバベル』 チョウ ロウヨウ(大学院1年)『残っていく物』 池内 聖司(3年)『回る猫』 髙塚 千文(2年) 2年生以上の有志が参加した『バーチャル彫刻展』。WEB上に作り上げた仮想空間を会場に、デジタル化された彫刻作品を展示する新たな試みです。彫刻の概念を覆すチャレンジングな企画が注目され、各メディアで話題となりました。オンライン授業で見出したアート&デザインの可能性彫刻学科バーチャル彫刻展WEB上での展示から新たな接点が生まれた1

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